世界に1つだけのデザート
期待を強烈に上回る、驚きのデザートを。
私たちのレストランの共通コンセプト、それは、「感動のレストランを目指そう!! 」です。お食事をしに来られたお客様が感動の涙を流してお帰りになる…そんなレストランを目指しています。お客様に感動して帰ってもらうには、お客様の期待をはるかに上回ることが必要。「どうしたらびっくりしてもらえる?」スタッフはいつも考えています。
考えた結果、デザートに気持ちを乗せてプレゼントしようということになりました。
その日からパティシエは、チョコレートでメッセージが書けるよう練習を重ね、構図や色使いの勉強のため足しげく美術館に通い、絵の勉強をはじめました。
マーライオンに企業ロゴ?!
最初は「ハッピー!!バースデー!!」や「アニバーサリー・ウエディング 10th」といったお決まりのものでした。でも、お客様からのご要望も増え、スタッフもどんどんエスカレート。シンガポールから来たお客様へ、頼まれてもいないのに「Welcome to japan」とマーライオンの絵を。同窓会のお客様には校章や校歌の入ったデザートを、ご接待のお客様には企業ロゴが入ったデザートを…。ある時はお客様の似顔絵入りのデザートをサプライズプレゼント。笑いと涙があふれるお席となりました。
感動づくりのためなら
ある日、1組の老夫婦のご来店がありました。お二人は記念日であることは教えてくれましたが、電話では詳しい内容は教えてくれません…。 お食事中、緊張の解けたお二人に再度どのような記念日かお伺いしました。すると、定年後に始めた喫茶店が10周年を迎えた記念日とのこと。私たちスタッフのおもてなし心に火がつきます。
お店の名前もお伺いし、何とか喜んでもらえるデザートを作りたかったのですが、ホームページも無く、グーグルアースでも見つからず…途方にくれていました。
考えていても仕方がない。「よし、そのお店に行こう!」。お客様のデザートタイムまでおよそ1時間、お店までは約2キロ、デザートの作成時間が20分。時間がない、一目散に突き進みます。お店の前に行き、ロゴや窓から見える飾りを撮影してパティシエに送信。パティシエは無事、お店のロゴの入ったデザートを作ることができました。ご夫婦はびっくりした表情で「なんでそんなん知ってるの???」と。「来年もまた必ず来よう」とのお言葉を残して帰って行かれました。
菅原道真プレートまで?!
また別の日、お客様から1本の電話が。「浪人中の姪っ子を予備校の冬期講習で2ヶ月預かっているが、講習も終わり故郷に帰るのでなにかプレゼントしたい。できれば合格祈願のデザートを作って欲しい!」。 僕らができることは何か、シェフとパティシエを入れてみんなで考えました。
出した結果が、学問の神様「菅原道真」と「大吉の入った達磨のおみくじ」をプレゼントすること。スタッフは近くの神社まで行き、大吉が出るまでおみくじを引き、パティシエは資料を集めて「菅原道真プレート」を完成させました。
当日、お食事会のメインディッシュの後にスペシャルデザートをプレゼント! 姪っ子さん以上に、何かしてあげたいとおっしゃっていた叔父さんご夫婦が感動、何も言えなくなってしまいました。
気持ちのこもったサプライズプレゼントはご本人だけでなく、喜んでもらいたい、お祝いしたい、という気持ちをもった全員に感動を与えるプレゼントになるんですね。私たち自身も学ばせていただきました。今後もより進化した形でお客様にサプライズプレートをご提供していきたいと思っています。